YASUMASA YONEHARA

米原康正が語る中国事情一回目 - 微博・Weiboで236万フォロワーを獲得するには -

Weiboを始めた経緯

2011年に蒼井空を中国に初めて連れて行ってのですが、その後蒼井空が中国でブレイクして、彼女にweiboを紹介されました。当時はまだmixiが流行っていた時代で、海外SNS(Facebookやtwitterなど)にはまだ注目していなかったんです。
それで、Weiboを見てみたら、写真がいっぱい載せれるし、文字もどんどん流れていくし、瞬間性とスピード感があり、興味を持つようになりました。今までやってきたセクシー写真を中心に、中国のネットでどこまで許されるかを試しながら、1日1枚投稿していこうと決めました。

投稿内容に関して

2011年当時は多分中国でセクシーの部分がはじめて解放された時だと思うだけど、それ以前にセクシーなものというものはなかった思います。あったとしてもアンダーグランドのもので、メジャーの雑誌がセクシャルを使うことはなかったです。
2006-2008頃に台湾ではじめてセクシーな女の子たちを撮影した雑誌の米原特集がすごく売れたこともあって、そこから台湾の雑誌の表紙がセクシーな女が出るというブームになったことがあります。
中国本土も同じで、セクシャルに関する興味を持ってるはず。でも中国の法律を守りたいから、セクシャルがどこまでが許されるかは初期の頃にすごく認しながら投稿していました。

weiboフォロワー数を増やした経緯

1日1投稿をやりだしたら、いきなり2万人まで増えちゃって、その後友達である台湾の人気歌手のJJ林とweiboでやり取りしてたら、一気に2、30万程フォロワーが増えて、そして猫耳というweiboで有名なコラムニストに「この男を許したら中国の女を全部脱がされるぞ」と批判されたことで、一日60万人のペースでフォロワー数が増えました(weiboが一番流行っていた時期であることを背景にある)。
Weiboのパワーと面白みを味わって、しかもとにかく人を集めた方が絶対有利だと思っているのがあったから、フォロワー数を増やすことに専念し、weiboばかりやり続けている日々が一年間続きました。

weiboユーザーとのインタラクション

僕がセクシーな写真を出してた時に、それに反応するかのように、「僕もこんな写真を撮ってますよ」っていうやつらが、俺のアカウントにメンションして、写真を貼ってたりしました。それをリツイートしてたら、リツイートされたやつもそれぞれフォロワー数が増えたりしてた。 僕が女の子をフォローすると、フォロワーが増えるっていうのは基本的に流れとしてできて、すごいいっぱいセクシャルの写真を送られてくるようになりました。
また時には、すごく知りもしないのに、日本人はこうだからと決めつけるコメントをする人がいるから、そうするとすごく腹立ってきて、「日本人色々いるから、皆が思っている日本人だけではない」と反論したり、そういうコメントを見つける度に喧嘩を売ったりしました。

Weiboをやってから中国イメージの変化

日本にいると、中国ってどんな国というイメージもわからない。日本に入ってくる中国情報は中国が戦争したがっているなど、マイナスなイメージだけが情報ばかりですし。
香港、台湾と中国の区別がよくつかないし、世の中では中国って言ったら香港だけのイメージだったりするし、自分も広東語が中国のメインの言葉だと思ったりしてました。
そして、中国は厳しいというイメージしかなかったけど、weiboの投稿を見ると、言いたいことを言ってる人達がいっぱいいるし、全然聞いている中国のイメージと違うなと気づきはじめました。
中日政府と民間の温度差がありすぎて、伝わってない部分があるから、そこはちゃんと民間同士で色々交流して、そういう部分を伝わっていくべきだなと思います。というようなことを、weiboをやりながらすごく考えたりしてるのだけど、なかなかそういう気持ちも伝わらない部分もありますね。
Weiboをやっていると、中国の人たちの価値観とか、何が好きかとか、そういう部分がすごくわかってきます。こうやって中国に対しての興味はweiboを通して大きくなってきました。そして僕がいいと思ってるものの中から、中国の人に受けそうなものっていうのを探していきたいです。

うまくいかない時期は

2012年頃中国で人気が出てから、中国の方からweiboを通して、イベント参加の誘いが来るようになってきました。毎週末中国に行って、イベントをやってたような時期があり、中国の仕事だけで生活ができるんじゃないかって事務所の中で盛り上がってました。
そうしたら、突然尖閣問題ができて、当時中国で人気のブランドKappaとのコラボ企画も中止になり、他に決まっていた色んなイベントもキャンセルになったんです。ニュースとかを見てると、まさにちょっと前に行った撮影現場で、日本車がひっくり返されたりして、リアリティを感じて、これが本当に中国で起きてることなんだなと実感しました。
その2ケ月後、デモの真っ最中に呼ばれて、また広州のほうに行ったんですけど、でも僕たちの周りでは、全然大丈夫でしたね。ようするに、街の中に出て、マッサージ屋さんとかに行ったりすると、やっぱり田舎から出てきた人たちとか、そういう一方的な情報しか知らないような人たちだったりするから、そこに行ったときにどうなるかはよくわからないから、なるべく決められたエリアから外を出ないようにしていました。
同じ意見を持つ中国人と日本人がちゃんと手を組むことはすごい必要なことだと思います。でもお互いにこれだけ情報が偏っちゃうと、そこの部分はすごく難しく、友好な中国人もたくさんいるという情報が日本では全くないし、中国に対しても、こういう日本人がいるという情報が日本人自ら発信していかないかぎり、なかなか見つけることができなかったりするから。
僕のweiboのセクシャルの写真に興味があるから、人が集まってるだけで、そこから先に、どういう考えで日本がそういうことをしてるかだとか、政治的にでなく、普通の言葉としてやっていければいいなと思います。

日本で影響力のあるKOLを作るには

weiboから出てきた影響力がある人気者がいっぱいいるわけで、ところは日本では、代理店が強いから、SNSだけをやって人気者になる人がすごく少なくて、人気が出るには、テレビに出ないといけないという変な図式があります。
今までにない価値観を認めさせ、フォロワー数を増やす人がいないと、そういう新しい文化が生まれてこない訳です。でも代理店が入ってくると、フォロワー数の多い人たちのみに焦点を当てるから、人気が消費されるばかりで、自分たちで新しいマーケット、或いはカルチャーを作るシステムができていない状況です。
そこはやっぱり大人たちが次の世代に受ける人気者が出てこれるようなシステムを考えてあげるべきだと思います。今人気の人たちは人気の人たちとして認めて、人気がなくても面白そうな人達がいれば、そこをピックアップして、目立たせていくという作業ができるようなことになるといいなと思っています。次を作るために、今流行ってるものと同じぐらいお金を掛けるべきだと思っています。


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